カルコス 本店灯りに誘われる虫のように、私は書店へ向かった。書店の前には「各務原書店」の看板がかかっていた。料金所の向こうにある大型書店「カコス」と比べると、面積は四分の一ほどの小さな書店だ。書店の奥の古いエアコンは耳障りな音を立てながらも、元気に回っていて、少し寒く感じるほどだった。冷えた空気に紙の匂いが混ざっている。——《六百六十円の真実》 第二章 生きることは恋をすること。/橋を一つ渡ると、書店に着いた。ずっと昔からある大きな書店で、外観はレンガのような赤色だ。ここで小説の立ち読みが禁止されてから、いつも満車だった駐車場に空きが目立つようになった。隣にあったゲームやCDを専門に売る大きな店舗は、いつの間にか薬局になっていた。——《安達と島村7》 第三章「平凡極まりない言葉」
出典:Anitabi問題を報告